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歯科のMB(メタルボンド)とは?

2021.12.14

MB(メタルボンド)の費用について

公的医療保険の適用外のため歯科医院によって費用は異なります。費用にはばらつきがあり、1歯あたり5~15万円が相場となっています。
自由診療の治療は、歯科医院によって費用の設定が異なります。治療を受ける前に、治療にかかる費用を確認するようにしておきましょう。

歯科のMB(メタルボンド)とは?

「補綴物=ほてつぶつ(詰め物や被せ物)」の素材には種類があり、その中の一つに「MB(メタルボンド)」があります。ここでは、メタルボンドの特徴についてご紹介します。

MB(メタルボンド)の特徴

MB(メタルボンド)は、メタボン、メタルボンドクラウン、陶材焼き付け鋳造冠とも呼ばれる被せ物です。審美的な補綴物として長い歴史と実績があり、現在でも多くの歯科医院で対応が可能な治療方法です。
金属のフレームにセラミック(陶材)を焼き付けて作られています。内側に金属を使用しているので耐久性があり、奥歯のクラウン(歯全部を覆う被せ物)やブリッジなど強度を必要とする治療に用いられることが多くあります。従来の金歯や銀歯と違って、陶材を築盛し歯の形や色を再現できるため、天然歯とほとんど変わらない仕上がりが期待できます。しかし、金属を使用していないものよりも透明感や色調が劣ります。また、経年的に歯茎が痩せて金属部分が見えたり、金属イオンが歯茎に付着して黒ずんだり、金属アレルギーが出たりするなどの問題が生じることもあります。

オールセラミック
メタルボンド

MB(メタルボンド)のメリット・デメリット

メリット
・歯の表側にセラミックを使用しているため、自分の歯に近い色調が再現できる
・内側が金属で補強されているため耐久性がある
・銀歯に比べ見た目がキレイに仕上がる
・歯垢や食べ物の色素が付きにくいため変色しにくい
デメリット
・歯の裏側は金属の面積が大きくなるので、金属が見えることもある
・セラミックは硬い材質だが衝撃に弱いため、噛み合わせの状態によって欠けたり割れたりすることがある
・保険適用外のため負担額が大きい
・金属イオンが溶け出し、歯茎が黒ずんだり金属アレルギーが出ることがある
・オールセラミッククラウンより色調が劣る。
・MB(メタルボンド)が経年劣化したり、歯茎が下がると内側の金属が境目のように見えてくることがある(ブラックマージン)。

MB(メタルボンド)の治療期間・回数の目安

お口の状態によって大きく異なりますが、補綴物を作り替えるだけなら型取りから装着まで2~4週間で、2~3回の通院が必要となります。歯の中や歯周病の治療が必要な場合や、より丁寧な治療、色合わせを希望する場合は治療期間が長くなります。

まとめ

メタルボンドは多くの歯科医院で対応が可能です。長い歴史の中で確立された実績があるため、最も使用されていた安心できる治療方法です。しかし、最近では金属アレルギーや歯茎が黒ずんでしまうデメリットやセラミックの改良により、オールセラミックやジルコニアなど金属を使用しない治療方法が歯科医院でも勧められる?ことが多くなり、以前より使用されることは少なくなってきています。主流として使用されることはなくなってきましたが、長年の歴史、実績がある治療方法のためこれからも残り続けると言えるでしょう。
お口の状態によって適した治療方法は異なります。保険適用外の治療のため費用も高額になってきます。受けられる治療の選択肢を歯科医師と相談しながらメリット・デメリット・リスクを理解したうえで治療を受けましょう。


記事監修:歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加。

MB(メタルボンド)はこんな方にオススメ

・奥歯のクラウン(被せ物)やブリッジなどの治療を受けられる方
歯髄(しずい=歯の中の神経)を取ったが被せ物の治療を終わらせていない段階で、自分の歯が変色してきた方
・歯並びや噛み合わせを短期間で綺麗に整えたい方