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前歯のセラミック矯正

2018.07.17

【セラミック矯正】

歯の見えている部分のみ(歯全体の1/3程度)を削り、その上に歯科医師がデザインした人工の歯(セラミックを使用)を被せることで、歯並びを綺麗にする治療方法です。

■メリット
・治療期間が短い
・歯の色や形も自由に変えられる

■デメリット
・神経を抜く場合がある
・歯を抜く場合がある
・歯茎が下がりセラミックとの境目が目立ってきてしまう場合がある
・大きく崩れた歯並び(八重歯など)は適応しない場合がある

よって、以下のような患者様に対してセラミック矯正はお勧めできるかと思います。
【1】 以前治療をした虫歯の治療跡が目立つ、公的医療保険の被せ物がすでに入っている方
【2】 歯並びに加え、歯そのものの色・形も変えたい方
【3】 ホワイトニングで得られる白さよりも、さらに歯を白くしたい方
【4】 治療を完了させたい日にちが決まっている方(結婚式やオーディションなどを控えているため)

【1】メタルボンド

強度を得るために金属のフレームを使用し、その上に審美セラミックを被せたものが、メタルボンドです。
メタルボンドに使用されるセラミックは、審美性はあるけれど強度が弱いものになります。以前はこれしか選択肢がありませんでしたが、金属を利用するので、金属が唾液と反応してイオン化することで、金属が溶け出し歯茎が黒くなるリスクがありました。
そのため、現在では前歯ではあまり使用されなくなっています。しかし、歯ぎしりの癖がある方や、噛む力が強く、ジルコニアでも割れる可能性がある方は、メタルボンドしか選択ができない場合もあります。

【2】2ケイ酸リチウムセラミック

被せ物の一番内側にくる部分に使われるフレーム用のセラミックとしては透明性が強く、強度もそこそこ持ちあわせているセラミックです。
ジルコニアほどの強度はないものの、フィット感があります。1本の単品の歯では製作可能ですが、3本以上の多数歯欠損のブリッジの場合は、連結部分から割れるリスクがあるため適応されません。

【4】築盛(表面の盛り付け)用の審美的なセラミック

この4つの中では一番透明性があり審美性が高いですが、強度が弱いので単体で用いる事はありません。
このセラミックは上記の素材で作ったフレームの上に焼き付けて使用します。
歯科技工士が持つ専門的な技術で、パウダー状のものを水で練り少しずつ筆で盛り付けて細かい色調再現が可能なので、その人に合わせた歯をうまく再現することができます。

【3】ジルコ二アセラミック

人工のダイヤモンドで、ダイヤモンドセラミックと言われることもある、強度に優れた素材で、色も白色なので審美性にも優れています。
しかし、ジルコニアの場合は、2ケイ酸リチウム系と比較すると、透明感に欠けてしまいます。
強度が十分にあり、白色なのでメタルボンドのような金属色が歯に着色するリスクがなく、金属アレルギーの方でも使えます。
しかし、硬く加工が困難で、3Dプリンタによる加工となるため、上記の2つと比較すると、歯へのフィット感が落ちる場合があります。

前歯のセラミック矯正

「矯正治療」として、大きく矯正装置やワイヤーを付ける矯正治療と、セラミックの被せ物を使用した治療の2つに分けて説明します。

【ワイヤー矯正】

■メリット
・健康な歯を削らなくて済む
(歯茎の下にある歯の根っこごと動かすため)
・大きく崩れた歯並び(八重歯など)もきれいに並べることができる
・神経を抜く必要がない
・全体的な噛み合わせを考えた治療ができる

■デメリット
・時間がかかる(歯の根っこごと動かすので、2~3年程度かかる)
・歯の色や大きさを変えることはできない
・歯を抜く場合ある

前歯に最適なセラミックとは

同じセラミックでも、奥歯に求められる性質と、前歯に求められる性質は違います。
基本的に奥歯は、審美性よりも耐久性が求められます。

「はさみ」を例として考えてみてください。歯も奥にいくにつれて、力が強くかかります。そのため破損する(割れる)可能性が高くなると言えます。
そこで奥歯には基本的に強度の強いフレーム(被せ物の一番内側にくる部分)が求められます。
しかし、審美(透明感)性に優れた材料は、前歯のブリッジへの使用は認められていても、奥歯は耐久性の問題で適応外となっている場合があります。

さらに説明をすると、下の奥歯と上の奥歯は見える部分が違います。
上の奥歯は横(頬っぺた側)が見えますが、下の歯と当たる部分は逆立ちして笑わない限りは通常は見えにくく、逆に下の奥歯は、笑えば上の歯と当たる部分(物を噛む面)は見えますが、頬側は見えにくくなります。
これに対して、前歯のセラミック製の人工の歯は見える部分の審美性が最大限に優先されます、上の前歯では、笑うと歯茎が見えることが多いので、その部分が黒くなりにくくする加工も必要です。

しかし、セラミックを用いた治療にも限界があります。
歯ぎしりのある人の場合、無意識に力いっぱい歯ぎしりをしてしまうことで、セラミックが割れてしまうことがあります。そのため場合によっては、そういった方には、審美性の高いセラミック製の歯をあきらめてもらう場合や、歯ぎしり防止装置(マウスピース)を毎晩寝るときに使用してもらうことを前提として製作することがあります。

このセラミックも大きく4つに分けることができます。

記事ご協力
院長 : 向野 敏也

大阪中央審美ホワイトニングサロン/ミント歯科

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