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あなたの歯の色は?なかなか落ちない「歯の黄ばみ」原因と対処法を知ろう!

2021.12.14

歯の変色や色素沈着の原因となるもの

歯の変色は内側からくる変色の内因性のものと、汚れの付着(色素沈着)や蓄積によって変色する外因性のものの2種類に分類されます。

歯の色の系統と色の濃さの分類

歯の色の系統と色の濃さの分類

■A系統:赤茶色系統の歯
■B系統:黄灰色系統の歯
■C系統:灰色系統の歯
■D系統:赤灰色系統の歯


個人差はありますが、日本人の歯の色調はA系統に該当するケースが多く、「赤み・黄色味が強い」といわれています。なぜなら、日本人は欧米人と比べてエナメル質が薄く、内側の象牙質が透けて見えやすいためです。特に犬歯の歯と歯茎の境目の色素が強い傾向があり、A3~A3.5、B3が日本人の歯の平均色であるといわれています。また、一般的に周囲から「歯が白いね」といわれる色は、B1A1前後です。ホワイトニングで歯のトーンアップを希望されている方はこの辺りの色レベルを目指すとよいかもしれませんね(上記は個人差があります)。

歯の色が変わる原因 内因性

抗生物質(テトラサイクリン)…幼い頃などに特定の抗生物質を飲んでいた場合などに歯の変色が起こります。テトラサイクリンにより変色した歯を「テトラサイクリン歯(上イラスト)」と表現することもあります。グレーや赤茶色の縞模様が特徴です。
神経の壊死…ぶつけたり、虫歯が進行したり、なんらかの影響で歯の中にある神経が死んでしまって時間がたつと歯の変色が起こります。歯の色がグレーに変色していることが多いです。
加齢による変色…摩耗や咬耗によって白いエナメル質が薄くなり、黄色い象牙質が目立ってしまって変色したように見える状態です。黄色~オレンジっぽい色味が特徴です。

歯の色が変わる原因 外因性(色素沈着)

・タバコのヤニ、コーヒーやお茶…嗜好品などで起こる着色です。オレンジや濃い茶色に変色しやすいです。
・虫歯…虫歯の影響による変色です。はじめは白く濁った色に変色してしまいます。さらに進行すると茶褐色や黒っぽくなっていきます。
・金属の詰め物など…歯に詰めた金属が原因で歯が黒っぽくなることがあります。

歯の色を白くするための治療法は?

審美歯科の治療では、歯を白くする治療方法として主に(1)クリーニング(PMTC)(2)ホワイトニング (3)セラミック治療があります。

(1)クリーニング(PMTC)では着色汚れを落とせなかった場合、歯の内側から変色している可能性が高く、その場合は(2)ホワイトニングで内側から漂白して歯を白くしていきます。それでも希望の白さに近づけなかったり、1回で効果を実感したいという場合は(3)セラミック治療をおすすめします。

「歯の色が最近黄ばんできたかも?」

日本人の平均的な歯の色と変色の原因

生まれつき肌の色が白かったり地黒だったりするように、歯の色も個性で人それぞれ違いがあります。そして、老化によっても歯の色は徐々に変化していくのです。歯の黄ばみが気になる方、白い歯をキープしたい方、歯の色と変色の原因について学んでいきましょう。

歯の色の平均は?色見本表“シェードガイド”とは

歯の色見本表“シェードガイド”

「シェードガイド」とは、歯医者さんで使用されている「歯の色見本」のことです。セラミックの差し歯や詰め物の治療、ホワイトニングの前後など、歯の色を確認するために様々なシーンで使用されています。

歯の色はよく見ると、のっぺりとした単一な色調ではなく、赤系や黄色系、グレー系などのベースとなる色があり、さらに明度(明るさ)が加わることにより色調が異なります。

このような複雑な色を見極めるためにシェードガイドを使用します。シェードガイドはA、B、C、Dの色4系統と1~4段階の色の明るさによって16段階に分けて歯の色を再現しています。つまり、歯の色を数字とコードで表すことで、天然の歯の色に近い微妙な色と明度を表すことができるというわけです。

一般的にセラミックなど白い被せ物は歯医者さんで歯型をとったあと、歯科技工所で製作されます。歯科技工所では歯医者さんから指示を受け、被せ物の色や形を整えていきます。例えば「歯と歯茎の境目付近はA3で、歯の先端部分はB1に」というようなグラデーションの加工ができる場合があります。ドクターと相談しながら歯の色を決めることも可能ですので具体的な色や形のイメージがある場合、担当ドクターにはっきり伝えましょう。

歯の色が加齢により茶色く変化することがある

「最近歯の色が濃くなってきたかもしれない…。」

きちんと毎日歯磨きをしているはずなのに、歯が黄ばんできたという経験はありませんか?これは加齢が原因でエナメル質が薄くなっている可能性があります。
長年食べ物を噛んだり、すりつぶしたり、歯ブラシでゴシゴシ磨くことで歯の表面のエナメル質がすり減ります。また、象牙質には加齢とともに色が濃くなる傾向があります。エナメル質がすり減ったことにより内側の象牙質の色が透けて見えるようになり、歯が黄ばんで見えてくるのです。

歯の色が茶色っぽく見える理由とは?

奥歯の歯の断面図

人の歯は、1番外側に透明感があるエナメル質があり、その下に淡い黄色の象牙質が存在しています。エナメル質の薄さなどにより、象牙質の色が透けることで、歯が黄色っぽく見えることもあれば、エナメル質表面の凹凸が光を乱反射することで白っぽく見えたりします。
また、奥歯や前歯でエナメル質や象牙質の厚さは異なり、色も歯の切縁(噛み切る側の部分)や歯頚部(歯茎に近い部分)で異なっているのです。写真は奥歯の断面図ですが、場所によりエナメル質の厚みが違うことが分かります。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。