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差し歯(被せ物)は公的医療保険適用になる?種類や値段、取れた場合の費用まで解説

虫歯の度合いによっては、歯を大きく削って差し歯(被せ物、クラウン)を入れることが検討されます。差し歯と一言でいっても、どのような差し歯を入れるのか、公的医療保険が適用されるのかなど、さまざまな疑問があると思います。公的医療保険適用の有無や価格の相場などを紹介します。

掲載日:2025/05/09

差し歯(被せ物)は公的医療保険適用になる?種類や値段、取れた場合の費用まで解説

この記事の要約

  • 基本的に公的医療保険が適用されるが、素材によっては自費診療の適用になる。
  • 保険診療と自費診療のどちらが適用になるかで、価格帯は大きく違う。

差し歯は基本的に公的医療保険適用になる

差し歯は多くの場合、保険で認められている素材を使う場合に限り保険診療の適用です。ただし、保険で認められていない素材を使って差し歯の治療を受ける場合は自費診療になります。

公的医療保険適用の差し歯の種類と値段

保険診療になる差し歯の種類と、それぞれの価格帯を解説します。

金銀パラジウム合金

保険適用の金銀パラジウム合金製の補綴物です。強度が高く、強い噛む力がかかる奥歯にも使用されます。ただし、銀歯のような特有のギラつきがあり、前歯だと口元が目立ちます。

また、経年劣化によって歯との間に隙間ができやすく、二次虫歯のリスクが高くなります。金属アレルギーになる可能性もあるほか、金属から溶け出した成分によって歯肉が黒ずむこともあります。1本3,000~6,000円ほどで治療を受けられます。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

硬質レジン前装冠

金属の表面に硬質レジン(歯科用プラスチック)を貼り付けたものです。銀歯と違って表側が白く見えるようになり、内側が金属になります。公的医療保険適用となる治療方法で、表面的には白く見えるようにできます。また、金属の働きによって強度が保たれます。

白く見せることができる硬質レジンですが、経年劣化により変色を起こします。また、天然歯のような透明感は得られず、内側の金属が透けて見える可能性があります。また、ほかの色と馴染みにくいという難点や金属アレルギーの心配も残ります。5,000〜8,000円ほどで治療を受けられます。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

硬質レジンジャケット冠

硬いプラスチックの差し歯には金属が含まれません。金属アレルギーのリスクがなくなり、金属が透けて見える心配もありません。審美的に優れている治療方法ですが、保険適用されるのは前から5番目までの歯になります。また、銀歯や硬質レジン前装冠に比べると強度に劣ります。保険が適用される治療の場合、1本あたり4,000〜7,000円で治療を受けられます。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

CAD/CAM冠

歯科用レジンにセラミックの粉末が混ざっている素材です。コンピューターで設計されたデータにもとづいてブロックを削り出し、削った歯に合うように被せ物を作製します。セラミックの粉末を混合することで美しさが増すとともに、機械で作るため短期間で治療を終えられます。

強度をある程度確保できるものの金属より外れやすく、虫歯が再発するリスクもあります。また、レジンを使用しているためセラミック単独の差し歯よりも変色しやすいです。6,000~8,000円で治療ができます。

公的医療保険適用外の差し歯の種類と値段

公的医療保険適用外の差し歯の種類と値段

保険適用外の差し歯は価格が高くなるものの、さまざまなメリットがあります。自費診療の差し歯の種類と費用を解説します。

ゴールドクラウン

金合金を使って作製した差し歯で、強度が大きいことが特徴です。金色のため目立ちやすく、自費診療になるので価格が高くなります。ただし、金属アレルギーが起きにくい素材です。また、柔軟性があり、長持ちしやすいです。相場としては110,000〜275,000円ほどになります。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

メタルボンドクラウン

金属表面にセラミックを焼き付けた差し歯です。金属の機能により高い強度を保ちながら、天然歯のような色調に近づけることができます。セラミックは表面が滑らかなので歯垢が付きにくく、虫歯の再発リスクを抑えられます。

自費診療になるので価格が高く、金属アレルギーのリスクがあります。また、歯肉が黒ずむ可能性もあります。相場としては88,000〜165,000円ほどです。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

オールセラミッククラウン

セラミックのみを加工し作った差し歯です。天然歯のような透明感があり、非常に審美性が高いタイプです。金属アレルギーの心配がないうえ、虫歯のリスクが低く、白い美しさを長く保てます。

ただし自費診療のみ適応で、割れやすいデメリットがあります。相場としては88,000〜198,000円ほどです。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

ジルコニアセラミッククラウン

「人工ダイヤモンド」とよばれるほど強度が高く、白い素材です。負荷がかかる歯にも適応でき、天然歯に近い色調の差し歯を作製できます。金属アレルギーの心配もなく、変色しにくいメリットもあります。一方、公的医療保険が適用されないため費用がかかり、オールセラミックに比べると透明感が低くなります。相場としては143,000〜198,000円ほどです。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

ハイブリッドセラミッククラウン

セラミックにレジンを少量混ぜた素材で作られた差し歯です。セラミックを含むことでレジン単独の差し歯より美しく、強度も高くなります。自費診療ではありますが、オールセラミッククラウンやジルコニアセラミッククラウンよりも費用を抑えられます。しかし、オールセラミックに比べると審美面で劣ります。価格の相場としては、50,000〜100,000円ほどになります。

2025年3月 株式会社メディカルネット調べ

差し歯が取れたら費用はかかる?

差し歯が取れた場合の費用については、公的医療保険診療と自費診療で条件が異なってきます。

公的医療保険適用の差し歯の場合

公的医療保険診療で作った差し歯が取れた場合、補綴物維持管理料により2年間は無料で対応してもらえることがあります。また、差し歯が取れても、支えている歯や土台、抜けた差し歯自体に問題がなければ再びセットできます。

公的医療保険適用外の差し歯の場合

治療を受けた歯科医院によって対応が異なります。装着後の保証制度があれば、修理または再作製が行われることもあります。保証システムのない歯科医院であれば、差し歯の治療と同じ費用がかかる可能性があります。

保証期間を設けている歯科医院が多いので、事前に確認しておくことが大切です。

まとめ

差し歯は基本的に公的医療保険が適用される治療ですが、使用する素材によっては保険が適用されず高額な治療費がかかります。ただし、自費診療の素材は審美性において大きなメリットがあるため、ご希望条件によっては検討されると良いでしょう。

公的医療保険が適用されるかどうか以外にも、差し歯について不明なことがあれば事前に歯科医院で相談してみてください。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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