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フッ素の適切な使用量と頻度について

フッ素は虫歯予防に効果的であるといわれています。では、フッ素をどのくらいの頻度で使用すれば、虫歯を防ぐために有効となるのでしょうか?

今回は、ご家庭で手軽に使えるフッ素入りの歯磨き粉から、歯科医院で歯に塗布する高濃度のフッ素の使用量、頻度、用いる際の注意点に至るまで詳しくご紹介します。

掲載日:2021/2/2

フッ素の適切な使用量と頻度について

フッ素は虫歯予防に効果的

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虫歯とは、口の中に生息する菌の産生する酸が歯を溶かすことによって発生します。 その原因となる菌は、食物に含まれる糖分を栄養源とし、エネルギーを作る過程で酸を生み出します。 これにより、ミネラルを主成分とする「エナメル質」や「象牙質」、「セメント質」が酸によって溶けていく、「脱灰」と呼ばれる症状が生じてしまいます。

それに対し、唾液は先述した酸の力を弱めることができます。 加えて、唾液はその中に含まれるカルシウムやリンによって、エナメル質を修復する効果も持っています。この修復のことを「再石灰化」と呼びます。 フッ素にはこの「再石灰化」のスピードを加速させる効果があるのです。

再石灰化によってフッ素が歯の表面に取り込まれると、「フルオロキシアパタイト」という、通常以上の硬さを持つエナメル質の結晶が生成されます。 つまり、フッ素はエナメル質を強化する働きを持っており、虫歯の予防に直結しています。

市販の歯磨き粉に含まれるフッ素濃度は1500ppmまでと規定されています。歯磨きの際に用いるフッ素の濃度が1500ppmであれば、虫歯予防の効果が6%上がるとされています。
しかし、高濃度のフッ素を6歳未満の小児に用いると、歯のフッ素症を引き起こす可能性があるため、使用者の年齢に応じ、濃度には気を配っていく必要があります。

フッ素の塗布方法と適正量

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家庭で行えるフッ素の塗布方法の一つとして、フッ素が配合された歯磨き粉を用いるものがあります。歯磨きで用いるフッ素濃度は、1000~1500ppmが基本となります。

使用者の年齢によって歯ブラシにつける適量は異なり、3~5歳なら5mm以下、6~14才なら1cm程度、15歳以上なら1~2cmと、 年齢の増加に伴って適切な量も増えていきます。また、歯磨き後のすすぎは気持ち悪さが残らない程度に1~2回だけにし、 口にフッ素を留めるようにするのが良いとされています。

また、洗口液(うがい薬)も家庭で行える虫歯対策の一つです。 こちらの場合は、基本的なフッ素濃度が225~450ppmとなっており、適量は一般的には5~10mLとされています。食後または就寝前に行うのが効果的なタイミングであり、 特に就寝前であれば、眠っている最中も口の中にフッ素が留まりやすいため、より良いとされています。

歯科医院でフッ素化合物を塗布する方法もあり、そちらはおよそ9000ppmと家庭で用いる各種の治療法に比べると非常に高濃度となっています。

フッ素は危ない?

一般的に、フッ素を用いた治療法は子供にとって危険な面があると言われています。
しかし、危険は子供が高濃度のフッ素を誤って多量に飲み込んだ場合です。家庭で使用できるフッ素は濃度が低めであることや、保護者や監督者の指導、 監視のもとで使用することが多いので、フッ素中毒などの問題は起きにくいでしょう。

先ほどの歯磨きを例に挙げると、歯の生え始めから5歳までは、フッ素濃度が500ppm以下の歯磨き粉を用います。歯磨き粉の量は2歳までは切った爪くらいで、 3歳~5歳では5mm以下とすることが推奨されています。用法用量を守って使用できる環境では、幼少期からフッ素を使った治療法を行うことは可能となっています。
幼少期に大人用と同じ歯磨き粉を使う、医師の指示なしにフッ素配合洗口液を使うなどを避け、用法容量を守り、適切な指示の元フッ素を使用することで安心・安全にフッ素を使用することができます。

ただし、中毒症状が起こりやすいとされる子供に対してフッ素を用いる際には、次の項目で取り上げるような中毒症状の兆候がないかどうかの確認をしながら使用するようにしましょう。

フッ素の中毒症状

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なぜ子供にとってフッ素が危険かというと、フッ素による中毒症状がを起こす危険性がより高くなるためです。急性中毒の症状には、悪寒、腹痛、嘔吐、 下痢といったものがあり、悪化すると痙攣を起こす場合もあります。
フッ素の使用後にお子さんにこういった症状が起こっていないかをよく確認してください。
子供は、気分が悪い、お腹が痛いなどを保護者に伝えずに黙り込んでしまう、動けなくなることがあります。顔色が悪くなっていないか、 いつもよりも口数が少なくなっていないかなどお子さんの些細な行動の変化に注意してみましょう。

慢性中毒の症状としては、歯に褐色の斑点やシミができる、「歯牙フッ素症」があります。こちらは進行するとエナメル質に白い点や小さな孔が発生し、 重症になると茶色いシミが生じてきます。
生後6ヶ月から5歳までの、歯の成長期である期間にフッ素化合物を過剰に摂取した場合、慢性中毒を引き起こす可能性があります。

対処法

急性中毒を引き起こした場合の具体的な対処法としては、胃の中を洗う、飲み込んだフッ素を吐かせる、フッ素の濃度を薄めるといったものがあります。
摂取量が多くない場合は、ご家庭で牛乳などのカルシウムを含んだ飲料を与えるよう指示されることもあります。
フッ素使用後にお子さんに異変が起きた場合はすぐに病院にかかるようにしてください。摂取量が多い場合、身体に重篤な異変が起きている場合は、入院による治療が必要となることもあります。

安全に使えばフッ素は歯を強くします

フッ素は取り扱いや使用量に注意を払う必要こそあるものの、正しい形で適切に用いれば、歯を強く保ってくれる効能を持ち合わせています。水道水に入れることで虫歯予防を期待できます。
フッ素の使用を極端に避ける必要はありません。
用法・用量を守ったうえでフッ素を安全に活用し、虫歯の予防へと役立てていきましょう。使い方に関して少しでも疑問がある場合は、かかりつけの医師、歯科医師にご相談ください。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証マザーズ上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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