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顎関節症とは 顎が痛い、音がする、口が開かない

口を開けると顎から音が鳴る、顎のあたりが痛む、お口が開けにくい、といった症状があり、ストレスを感じていませんか?

もしかしたら「顎関節症」かもしれません。

この記事では、顎関節症とは何かという話から、原因や治療方法までご紹介します。

掲載日:2021/11/15

顎関節症とは 顎が痛い、音がする、口が開かない

顎関節症とは

顎関節症とは

顎関節症とは顎関節部の痛み・開口障害・音が鳴るなどの症状が一般的ですが、決して恐ろしい病気ではありません。
一般的によくあることであり、半数以上の人が何かしらの顎関節症の症状を経験するといわれています。

普段の生活の中で、毎日お口を開けたり閉じたり、噛んだりと顎の関節は常に機能しています。
そのため、何らかの原因で顎周りの筋肉が痛んだり、顎の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている関節円板という組織が正常な位置からずれてしまったりするのです。

顎関節症は症状があっても痛みがなければ放置する人も多く、放置しても命に関わる、お口の機能に重大な影響を及ぼすことはないとされています。

口を動かすと何だか違和感がある、顎から音が鳴る、口を大きく開けられないなどがあれば、それは顎関節症かもしれません。

では、具体的な症状や治療法についてみていきましょう。

顎関節症の症状

顎関節症とは

顎関節症は以下のような症状が現れます。

・お口の開閉時に顎・耳の前・こめかみ・頬いずれかに痛みがある
・食事後や会話後に顎に疲れを感じる
・お口が指3本分(45mm程度)まで開かない
・今までと噛み合わせが変わったと感じる
・お口の開閉時にカクッ・パキッ・ゴリゴリといった音が鳴る
・肩こりや頭痛がある

痛みや音が鳴る、口が開かない症状は、顎関節症の代表的な症状です。

そのほかにも、口を大きく開けようとすると引っかかる感じがする、硬いものを噛むと顎に痛みが出ることもあるようです。

顎関節症の原因

顎関節症とは

では顎関節症の原因は何なのでしょうか。

顎関節症は「多因子説」という考え方で、1つの明確な原因があるわけではなく、いくつかの原因となる要素が複雑に絡み合って症状が起きると考えられています。

顎関節症になる原因としては、噛み合わせの問題、歯ぎしり・食いしばり、筋肉の緊張、ストレス、顎の関節の変形などが疑われています。

そのほかにも、打撲・転倒などの外傷、固い食べ物の咀嚼、歌唱・吹奏楽器演奏、うつぶせ寝、長時間のPC作業などの生活習慣が顎関節症を引き起こす場合も。

さまざまな要因があるため、何が原因となり顎関節症の症状を引き起こしているのかは患者さんによって違いがあり、原因を見つけるのはなかなか難しいでしょう。

顎関節症の診断方法

顎関節症とは

顎関節症は「同じような症状が出るほかの疾患ではないと診断したうえで、顎関節症の症状がある」場合に診断されます。

ほかの疾患ではない、という前提が重視されており、顎関節症の診断基準は明確ではないといえるかもしれません。

一般社団法人日本顎関節学会では以下のように紹介されていますので、参考にされてみてくださいね。

顎関節症は、あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」、「口が開かない(開口障害)」、「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」のうちの1つ以上があり、 これらと同じような症状の出ることのある、顎関節症以外の病気がない時に顎関節症と診断されます。
実際には、患者さんへの聞き取り(問診)、あごの動きの検査、あごや咀嚼筋の痛みの検査、レントゲン検査、必要に応じてMRI検査などを行い、 顎関節症以外の同じような症状を呈する疾患を鑑別した上で診断を行います。
また、痛みには、身体的な傷害だけではなく、心理的・社会的な因子も強く関連することから、これらの状態は心理テストなどを用いて検査する場合もあります。

※引用: 一般社団法人日本顎関節学会

顎関節症の治療方法

顎関節症の治療方法

顎関節症の治療は、顎関節症を引き起こしている原因によって異なります。

痛みがない、口も開く、音がするだけなどで、特に日常生活に問題がない場合は、治療をしないケースも多いようです。

痛みが続く場合はまず薬物療法によって、痛み止めなどを内服し痛みを抑えます。
また、筋肉の緊張が原因の場合は緊張を和らげる薬を併用することもあるようです。

歯ぎしりや食いしばりによって顎関節に負担がかかり痛みを誘発している場合は、マウスピースによる対症療法を試すことも多いようです。 運動時や何か物事に集中する時、睡眠時など無意識に歯ぎしり・食いしばりをしやすいタイミングでマウスピースを装着します。

顎関節症の治療方法

マウスピースを装着することでクッションの代わりとなり、直接歯と歯が噛み合うことによる力の負荷を軽減することができます。
また、マウスピースの分噛み込みが浅くなりますので、噛む力が弱くなり顎への負担も軽くなると考えられます。

そのほか、電気を流したりマッサージをすることによって筋肉の緊張をほぐす理学療法や、顎周りの筋肉のストレッチを行う運動療法などで改善を図ります。

なかなか自分自身で顎関節症の症状を改善することは難しいですが、自分自身でできるセルフケアを取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

例えば、強張っている筋肉をストレッチしたり、患部を温湿布・蒸しタオルで温めたりすることも効果的とされていますよ。

矯正治療で顎関節症は治る?

矯正治療で顎関節症は治る?

矯正治療によって噛み合わせを改善することで、顎関節症を引き起こす要因を減らすことはできるかもしれません。

しかし、噛み合わせだけが顎関節症の原因ではないため、必ずしも治るとは言えないので注意が必要です。

肩こりは顎関節症のせい?

肩こりは顎関節症のせい?

顎関節症によって間接的に肩こりや頭痛などの症状が出る場合もあるといわれています。

ですが、反対に肩こりや頭痛などが顎関節症の原因となっていることも。
肩と顎は繋がっているため互いに影響することも考えられます。

肩こりや頭痛でお悩みの方は、顎関節症の治療も大切ですがほかのストレスや姿勢、生活習慣などの見直しもぜひしてみてくださいね。

まとめ

顎関節症は、治療が必ずしも必要なわけではありません。

ですが、痛みがある場合は食事を控えてしまったり、ストレスを感じてしまったりとよくない影響が出ることも。

顎関節症かも?と思う痛みが出たら一度歯科医院を受診して診てもらうことがおすすめです。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 歯科医師:古川 雄亮 先生
  • 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
  • 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
  • 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
    [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0
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記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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