歯が欠けたらどうしたらいい？小さいけど、治療は必要？

■目次

1. 歯が欠ける原因とは？
2. 歯が欠けたままにするデメリット
3. 小さく歯が欠けた場合の治療方法
4. 小さな歯の欠けを治す費用は？
5. 小さな歯の欠けを治すときのポイント

歯が欠ける原因とは？

歯が欠けてしまうのは虫歯だけではありません。

なぜ歯が欠けてしまったのかによって治療方法が異なることも。
まずは歯が欠けてしまう代表的な原因5つを紹介します！

①外傷

スポーツでの接触や事故でぶつけるなど強い衝撃で歯が欠けてしまうことがあります。 特に、子供の場合は立ち上がって歩いたり、外で遊んだり、部活動をしたりなど、活発に動く時期に起こりやすいです。

ぶつけた直後に欠けなくても、目に見えない小さなヒビが入っており、しばらく時間がたってから硬いおせんべいなどの食べ物を食べた時に欠けてしまうことも。

②歯ぎしり（食いしばり）

歯ぎしりは睡眠時などに無意識に行われていることが多く、歯に大きな負担がかかっている場合があります。 力が過大だったり、時間が長かったりすると、すり減ったり割れてしまうこともあります。

③噛み合わせ

上下の歯が正しく噛み合わない歯列は、一部に過度な噛む力がかかって歯にヒビが入るケースもあります。

④酸蝕歯

厳密には「欠ける」ではなく、「溶ける」ですが、お酢やワイン、コーラ、柑橘系の果物などをよく摂取する習慣があると、お口の中が酸性になって歯が溶けやすくなります。

また、過食嘔吐やお酒の飲みすぎ、摂食障害などでよく吐く方は、胃酸によって歯が溶けてしまいます。

これを酸蝕歯といい、虫歯のリスクを高めるほか、エナメル質が溶けることで歯が欠けやすくなります。

⑤虫歯

そしてよくあるのが虫歯による歯の欠けです。

虫歯が深くて歯がもろくなり欠けてしまうこともありますが、大抵の場合は欠けたのではなく、虫歯によって溶けて欠けたように見えているようです。

歯が欠けたままにするデメリット

歯を欠けたままにしていると、どのような問題が起こりうるのでしょうか？

虫歯がさらに広がる

虫歯が原因で歯が欠けてしまった場合には、既に虫歯が大きく進行している可能性があります。
また、欠けたところに汚れが残りやすくなり、より虫歯が進行してしまうことも。

さらに欠けたり、ほかの歯も欠けてしまう

歯ぎしりなどで日常的に強い負荷がかかっている場合、小さな欠けだった歯がより大きく欠けてしまうことも。

また、ほかの歯が欠けてしまうかもしれません。

口の中が傷つく

歯が欠けた部分が鋭くとがっている場合、お口の中の粘膜や舌を傷つけてしまうかもしれません。

そこから炎症が起こり、口内炎や思わぬトラブルにつながることも。
お口の中に欠けた歯が当たるような違和感があれば、注意が必要です。

見た目がきれいでない

前歯が欠けている場合は他の人から「あの人歯が欠けているな」と思われてしまうかも。

歯が欠けているとあまり好印象ではありませんよね。
奥歯は目立ちにくいですが、大きく口をあけて笑った場合など意外と見られているものです。

歯を欠けたままにしていると、お口の見た目は悪いと言えますね。

小さく歯が欠けた場合の治療方法

歯ぎしりなどによって少々欠けたくらいであれば、レジン（歯科用樹脂/プラスチック）という白い材料で一度の治療で治すことができます。
歯の形に関係しないほど小さな欠けであれば、ほんの少し歯の表面を削って整えるだけですむことも。

ただし、レジンは着色や変色がしやすく、しばらくすると自分自身の歯と色味が異なってくることがあります。
また、耐久性が弱いため、硬いものを噛んだり再度歯ぎしりをしてしまうと取れてしまうことがあります。

そのほかに、治療痕が目立たないようにきれいに治療したい場合は、薄いセラミックを歯の表面に貼り付ける「ラミネートベニア」と呼ばれる治療方法もあります。
ラミネートベニア治療は公的医療保険を適用されませんが、セラミックのため変色しづらく、違和感の少ない見た目にすることができますよ。

歯が半分くらい欠けている場合

歯が半分くらい欠けてしまうと、噛み合わせ次第で、レジンで治療することができる場合とできない場合があります。

レジンでの治療ができない場合は、公的医療保険を適用すると部分的に金属の被せ物をする、いわゆる銀歯での治療となります。

自費診療であれば、ハイブリッドセラミックやe-maxなどさまざまな素材を選択することができるため、白い歯に治療することができますよ。
また、欠けた位置によっては、全体的に被せ物をするケースもあるようです。

歯が大きく欠けている場合

歯がより大きく欠けてしまったケースでは、歯の神経の治療が必要となるケースもあります。

大きく欠けてしまうと歯がもろくなるため、詰め物ではなく被せ物で治療を行います。
土台をしっかりと立て、全体的に大きく被せ物を被せます。

公的医療保険を適用すると、硬質レジン前装冠という金属のフレームにレジンを盛った白い被せ物や、CAD/CAM冠などハイブリッドセラミックでできた白い歯の治療を受けることができます。

自費診療だと、金属のフレームにセラミックを盛り付けたメタルボンドや、金属を一切使わないオールセラミック（ハイブリッドセラミックよりも強度が高い）、 セラミックよりも強度が高いジルコニアなどさまざまな治療を受けることができますよ。

小さな歯の欠けを治す費用は？

小さな欠けであれば、公的医療保険を適用して、レジンで簡単・安価に治療をすることができます。

費用としては歯1本あたり1,000～1,500円程度で治療をすることができますよ。

よりきれいな見た目にするために自費診療を選択する場合は、費用は歯科医院によって異なります。
審美歯科治療の詳しい費用はこちらを参考にしてみてくださいね。
▶ 審美歯科治療の費用はいくら？

小さな歯の欠けを治すときのポイント

小さな欠けを治す場合は、治療で重視するポイントを踏まえて治療方法を選んでみてくださいね。

ホワイトニングを希望するかどうか

もし、前歯の治療を機にホワイトニングをご希望される場合は、先にホワイトニングで歯を白くしてから、白くなった色に合わせて詰め物や被せ物を作ることがおすすめです。

先に歯列全体の歯を白くすることで、修復した箇所との色の差が出にくくなりますよ。

ただし欠けが大きく、ホワイトニングをすると痛みが出そうな場合は、先に治療が必要なこともありますので注意してくださいね。

セラミック治療を考えているかどうか

セラミックは透明感のある補綴物で、天然歯に近い見た目を再現することができますよ。

レジンで治療できない場合に、欠けた前歯をセラミックの被せ物で治療したり、薄いセラミックを前歯に貼り付けるラミネートベニア治療を検討するかどうかを決めておきましょう。

また、レジンで治療できる範囲であっても、見た目を優先してセラミック治療を受けることもできます。
その場合はメリットデメリットをよく相談することが大切ですので、セラミック治療を受けたいと思うかどうかだけでも考えておくと良いでしょう。

見た目が気になるかどうか

見た目が気になるかどうかは人によって大きく異なります。

レジンでも自然な見た目だと思う方もいれば、そうでない方も。
どの程度まで見た目をきれいにしたいと思っているか、また、治療だけでなく、より一層理想の歯に近付けたい、などの希望がある場合はその旨を先に歯科医師に伝えてみてくださいね。

まとめ

見た目にもわからないほど小さな欠け方であれば、そのままにして問題ないケースもあります。

しかし、虫歯などによって歯そのものがもろくなっているのであれば大掛かりな治療が必要になるほか、欠けた歯が口内の粘膜を傷つける可能性もあるので、 まずは歯医者さんで診てもらうことがおすすめですよ。

お口の中の問題の大小は自分自身では判断しづらいものです。大丈夫だろうと放ったために、大事になってしまうケースも考えられます。
まずは歯科医院でチェックしてみてくださいね。

【監修歯科医師】

• 歯科医師:古川 雄亮 先生
• 国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事
• 歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加
• 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
  [参照URL] https://www.nature.com/articles/s41598-019-51077-0

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