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歯を白くするラミネートベニアとセラミッククラウンの違いとは?

歯を白くする方法としてよく耳にするのは「ホワイトニング」ですが、テトラサイクリン歯や神経のない歯など、歯の状態によってはホワイトニングでは歯が白くなりにくい場合もあります。 ホワイトニングでは歯を白くできないケースでも、白くすることを諦める必要はありません。「ラミネートベニア」や「セラミッククラウン」といった被せ物で歯を白くすることができます。 ここではラミネートベニアとセラミッククラウンの特徴と治療方法についてご紹介します。

掲載日:2021/2/26

歯を白くするラミネートベニアとセラミッククラウンの違いとは?

ラミネートベニアとは

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「ラミネート」とは貼り合わせるという意味であり、「ベニア(ベニヤ)」には薄い板という意味があります。
ラミネートベニアは、歯の表面のエナメル質を薄く(0.3~0.8mm程度)削り、その上にシェル状(貝殻状)のセラミックを接着させる治療方法のことです。
歯の形を整えたり、歯と歯の間の隙間をなくすなど、小さな範囲の歯並びの改善に用いられています。
歯の表面を少し削るだけなので歯にかかる負担が少なく、短期間できれいな歯にすることができます。
歯全体を覆う被せ物に比べて強度が劣るため、前歯の治療に適用され、奥歯の治療には適用されません。
平均費用は48,000円~150,000円(審美歯科ネット全国40医院調査)と価格に幅がありますが、1歯2歯だけの治療であれば低価格で済む傾向にあります。

ラミネートベニアは神経のない歯やテトラサイクリン歯(テトラサイクリン系抗生物質による歯の変色)など、歯科ホワイトニングでは効果が得られなかった歯も白くすることが可能です。 近年(2021年時点)ではセラミックのほかにジルコニアが使われていることもあり、被せ物が変色してしまう心配もありません。
ホワイトニングとは違い、色が後戻りしてしまうこともないため、長期間希望の白い歯を保つことができます。

ただし、常に上下の前歯同士が噛み合っている噛み合わせ(切端咬合)の方や、歯ぎしりや食いしばりが強い方、激しい運動を行う方は、 ラミネートベニアが割れたり欠けたりしまうため治療を受けられない可能性があります。
また、前歯に大きな虫歯がある(あった)場合は、セラミックを貼り付けることが難しく、ラミネートベニアが適用されない場合があります。

ラミネートベニアの治療方法

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歯の表面であるエナメル質には小さな穴や傷、段差があるため、表面を0.3㎜~0.8㎜程度削ることによって歯の表面を整え、セラミックを接着しやすくします。
貼り付けるセラミックの厚さと同程度、歯を削ることによって、歯とセラミックの境目の段差をなくせるほか、セラミックの厚みが気にならずに済みます。
近年(2021年時点)では強度の高いセラミックを使用することで、削らずにラミネートベニアを貼り付ける方法もありますが、こちらの場合は削るラミネートベニアに比べて歯に厚みが出る傾向にあります。

歯の表面を削ったら型とりを行い、歯の形に適したラミネートベニア(セラミックシェル)を作成します。
ラミネートベニアの作成に1~2週間程度かかりますので、その間は削った部分を仮歯や仮の素材で覆って過ごします。 その間は硬いものやくっつくものは食べないようにしておきましょう。

ラミネートベニアが完成したら歯に貼り付けます。
貼り付けた後は歯との段差や噛み合わせなど微調整をして完成です。
治療後の経過観察のため、何度か通院が必要になる場合があります。

セラミッククラウンとは

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セラミッククラウンとは、セラミックを素材として使った歯全体を覆う被せ物すべてのことを指します。
例えば、中に金属のフレームを使用した「メタルボンド」や金属を一切使用しない「オールセラミック」はどちらも「セラミッククラウン」と呼ばれることがあります。
また、土台がご自身の歯の場合、金属によって土台を立てた場合、ファイバーポストと呼ばれる芯棒を立てた土台の場合も、 歯を覆う被せ物にセラミックを使用していれば「セラミッククラウン」と呼ばれます。
そのため、金属を使用しているか使用していないかは患者さんによって異なります。
オールセラミッククラウンやジルコニアクラウンなど医院により費用は異なります。この違いはどの職人さん(歯科技工士)に作ってもらうかにより変わってきます。
歯科の被せ物や詰め物は基本的に手作業です。CAD/CAM(機械が削り出す)も出てきていますが、最終的な仕上げはすべて人の手により完結します。有名な職人さんの場合、 ある程度の費用が掛かる傾向があるため、医院によりセラミックやジルコニアなどの費用は変わってきます。
セラミッククラウンはラミネートベニアより、やや高額な傾向です。また、土台の作成が必要な場合は別途金額がかかることがあります。

クラウンの治療は、自分自身の歯を土台として整える、あるいは金属やファイバーポストを使用して土台を作成し、その上から歯全体を覆うようにして被せ物を装着する治療方法です。
奥歯や、噛み合わせや歯並びなどによってラミネートベニアを適用できないケースで被せ物によって歯を白くしたいケースに向いています。
大きな虫歯がある(あった)場合にも適用できます。虫歯がある場合は、虫歯の治療も同時に行う必要があります。

セラミッククラウンで治療をする場合は、金属を使用するかどうか、どういった被せ物で白くするかを歯科医師と事前にしっかりと相談しましょう。

セラミッククラウンの治療方法

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虫歯がある場合は、まずは虫歯の治療を行います。
虫歯が深く、神経まで達してしまっている場合は神経を取り除き、神経の通っていた空洞(歯髄腔)をきれいに掃除し、根の治療が終わったら土台を立てます。
土台は金属を使用するものや、ファイバーポストという素材を使用して金属を使用しないものなどいくつか種類がありますので、歯を白くする治療を希望する場合は土台についても事前に相談しておきましょう。

虫歯がない場合は、自分自身の歯を土台になるよう削り、形を整えます。
金属を使用しない被せ物にする場合は強度を保つために、金属を使用する被せ物の場合に比べて歯を削る量が多くなる場合があります。

土台ができたら型とりを行い、患者さんの歯に適した被せ物を作成します。
被せ物が出来上がるまで1~2週間かかります。仮歯を作成するかどうかは土台の状態や歯科医院の方針によって異なりますので、仮歯の作成についても治療を始める前に相談しておきましょう。

被せ物が完成したら土台に接着し、噛み合わせや隣の歯との隙間を調整して完了です。
治療後も噛み合わせの確認や、被せ物の状態の確認のために通院が必要なことがあります。


ラミネートベニアとセラミッククラウンのどちらにもメリットデメリットがあります。
ラミネートベニアのメリットは、歯をあまり削らないことですが、その分、デメリットとして維持形態が作りにくいため、 7年ほどで脱離(外れる)可能性があります。もし脱離してしまっても、脱離したラミネートベニアを持っていけば、通常再装着は可能です。ただ、前歯で噛む場合、気を遣って噛む必要があります。
セラミッククラウンやジルコニアクラウンなどのメリットは、気にせずに前歯でしっかり噛むことができることです。 特にジルコニアクラウンは人工ダイヤモンドも素材として使用されるほど硬い素材のため、割れたり欠けたりするリスクが少ないので気にせず食べることができますが、 デメリットとして歯を削る量が多くなります。

目指すお口の中や、患者さんのお口の中の状態、費用の面など、どちらの治療が適しているかは患者さんによって異なります。 ホワイトニングでは白くならなかった歯を白くしたいとお考えの方は、歯科医師にご相談ください。

【監修歯科医師】

総監修 歯科医師: 芳本 武 先生
  • 歯科医師: 芳本 武 先生
  • 2004年 大阪歯科大学 卒業,大阪歯科大学歯内療法科 入局
  • 2006年 吉永歯科クリニック 勤務
  • 2010年 やまがた歯科デンタルクリニック 副院長
  • 2013年 南カリフォルニア大学 Visiting Scholar
    監修歯科医師の紹介ページ

記事提供

この記事は、株式会社メディカルネット(東証グロース上場)の提供でお届けしております。社内の歯科医師、及び、歯科衛生士、歯科技工士による監修のもと記事の作成を行っております。

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