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ヨシさんの相談

カテゴリ:歯茎の黒ずみ

歯茎の黒ずみについて

歯の神経が死んで差し歯にした前歯の歯茎が黒ずんでいるのですが、
このケースにおける治療法は何が適切なのでしょうか?
ガムピーリングやウォーキングブリーチなどの治療法があるのは調べて分かったのですが、どれを選択すれば良いのか逆に分からなくなってしまいました。

ヨシさん、こんにちは。

まず歯ぐきの黒ずみの原因が何かによって治療方法が変わってまいります。

1.神経がない歯自体が変色して、歯茎に透けて黒ずんでいる場合

ウォーキングブリーチやインターナルブリーチ(パワーブリーチ)という歯の内部から行うホワイトニングで白くすることができます。歯ぐきまで黒ずんでいる場合は、歯の根をホワイトニング(ルートホワイトニング)することで改善することができます。ただし銀色の土台が入っている場合は、ホワイトニングができませんので、土台を外してホワイトニングを行った後に、再発防止も含めて金属以外の土台(ファイバーや樹脂など)にする必要があります。

2.根の深い部分まで黒くなっている場合

この場合ホワイトニングができません。歯茎の移植をして歯茎の黒い部分を隠す方法もあります。

3.差し歯に使われている金属が歯茎から見えている場合
や、金属が歯茎に映っている場合(ブラックマージン)

差し歯自体を金属を使用しないオールセラミックスに替えることで、歯ぐきの黒ずみはなくなります。どうしても金属を
使用しなければならない場合には、ゴールド色の金属を使用すると、シルバー色に比べて黒くなりにくくなります。

4.差し歯に使用した金属から金属イオンが流出して、歯茎が黒くなっている場合(メタルタトゥー)

この場合は歯ぐきを切開して黒くなった部分の歯ぐきを丁寧に切り取るか、レーザーで焼き取る方法があります。また原因となっている差し歯をはずして、金属を使用しないオールセラミックに替えるなどの治療をしないと、再発する可能性があります。

原因は担当の歯科医師に診断してもらってください。ちなみにガムピーリングはメラニン色素を取り除く方法ですので、差し歯が原因の歯ぐきの黒ずみはきれいにすることができません。
ヨシ様 初めまして! アイエスデンタルクリニック院長・審美歯科医 石田智子でございます。

 この度は、神経の死んでしまって被せた歯の歯茎の黒ずみについて、治療方法のご相談とのこと、色々な方法がありますので迷ってしまいますよね。お気持ちをお察しいたします。

 歯肉の黒ずみの除去方法は、その黒ずみの原因や深度によっても異なります。

 今被せている差し歯は、金属を使っているタイプでしょうか?
 もしそうだとすれば、歯肉を治療する前に、金属を除去する必要があります。また、被せ物に金属を使用していなくても、土台に金属が使われているケースもありますので、その場合も事前に金属を除去しておくのが望ましいです。
 その理由は、黒ずみの原因が金属だった場合に、せっかく黒ずみを除去出来ても再度黒くなってしまう可能性が大きいからです。
 金属が原因の場合の治療方法は、黒くなった歯肉をレーザーで除去する方法が適切です。黒ずみが歯肉の深部に及んでいる場合には、1回ではなく数回に分けたレーザー照射が必要になる場合もあります。

 差し歯に金属を使っていない場合は、喫煙や、メラニン色素の沈着が考えられます。この場合は、比較的広範囲にわたって起きる場合が多いので、治療方法は薬剤による歯肉のピーリングが適切です。
 
 そのほかに、差し歯が合っていない場合に起きる歯肉の貧血による黒ずみの場合もございます。これであれば、差し歯を外してしばらくするとある程度色が良ってまいります。しかし、全く元の色に戻るのは難しい場合もありますので、経過を見て、例えばレーザー照射などの処置を検討する必要があると思います。

 いずれにしましても、治療方法の選択にはかかりつけ歯科医の先生の適切な診断が必要となります。
 
 ヨシ様の歯が一日も早く良い状態になりますように、心よりお祈りしております。 どうぞお大事になさいませ。 石田智子
 



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